企業の語学研修成功の5ステップ:その5 効果測定と評価を行う
外部のテスト等を利用して社員の語学力を測る方法がオーソドックスですが、人事・教育ご担当者様から多くお寄せいただくのが、「テストでは高得点を取れても、実際はまったく話せない人が多い」、「実際にビジネスで必要な外国語会話スキルをどう測ったら良いのか」というお悩みです。
今回は、Rosetta Stone社が世界中の200以上のエグゼクティブへの調査をもとにまとめたホワイトペーパー「語学研修成功の5ステップ(原題:“5-STEP GUIDE to Successful Language Training”)」で最後のステップとして紹介されている、「効果を測定し評価する」について取り上げ、語学研修の効果測定方法について考えたいと思います。
テストの得点以外の社員の語学力測定の指標や、効果測定方法を紹介いたしますので、ぜひご参考のうえ自社の語学研修の評価と改善にお役立てください。
テストの点数以外にどのような指標があるかを考える
「語学研修の効果測定」となると、つい受講者の語学力がどのくらい伸びたかや、継続率に注目しがちですが、ここで思い出していただきたいのは、ステップ1や3でも触れた、語学研修の目的は何か、です。多くの場合、社員のテスト平均点●点アップや、学習継続率●%達成が語学研修の最終目的ではないはずです。
例えば海外のお客様とのコミュニケーションをスムーズ化し、満足度を向上させるというような、事業戦略に結びついた目標があるはずです。
よって語学研修を評価するなら、この最終目標に即した指標を使うべきなのです。
Rosetta Stoneの調査に協力した企業で、語学研修の効果測定を行っている企業の50%は、学習者の上司のフィードバック内容を効果の指標としていました。また、顧客からのフィードバックを指標としている企業も33%を占めました。
この結果や、Rosetta Stoneをご利用中のお客様の動向も踏まえ、Rosetta Stoneは効果測定の指標の例を以下のようにまとめて提案しています。
- 受講者本人に聞くメリット、デメリット
- 受講者の学習状況
- 受講者の上司(管理者層)による評価
- ビジネス上のインパクト
- 収益は増加したか
- 受講者の生産性は向上したか
- 自社がターゲットとする海外市場で成功できているか
- 言葉の壁に由来する社内外のトラブル件数
もちろんテストの得点や継続率も一つの指標にはなりますが、自社のグローバル戦略を推進する語学研修を構築するなら、以上のような自社のビジネスにどのように影響を与えているか、という視点での評価が欠かせません。
事業戦略や組織のミッションと結びつく指標を
どんなに学習継続率が高くても、受講者のテストの得点が上昇したとしても、自社のグローバル戦略の原動力の一つになっていないなら、残念ながら費用対効果が高い語学研修とは言えません。
海外のお客様のサービス満足度を向上させたい。国外への拠点拡大に向け、現地で指揮をとれる人材を育成しておきたい、言葉の壁に起因する現場の事故発生のリスクを最小限にしたい等、最終目的を考慮すれば、テストの得点以外の評価の指標を見つけられるはずです。
継続率の維持向上や、テストの点数アップがいつのまにか最終目標になってしまっていませんか?自社のビジネスにどのようなメリットをもたらしたくて、語学研修を行うのでしょうか。語学研修の評価に迷うときは、なぜ語学研修をやるのかという原点へ戻ってみてくださいね。
最後に
これまで5回にわたりご紹介してまいりました、「企業の語学研修成功の5ステップ」はいかがでしたでしょうか。
人事・教育ご担当者様の語学研修のお悩みに対し、少しでも有効なヒントを提供できていれば幸いです。
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「企業の語学研修成功の5ステップ」全5ステップ目次
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※このホワイトペーパーの調査結果についてのご質問や詳細については、弊社にお問い合わせいただいてもお答えしかねます。ご了承ください。