クラウド型LMSで運用管理を効率化!おすすめする5つの理由
皆さんこんにちは。
学習管理システム(LMS)を導入し活用している大学は多いかと思います。しかし、オンプレミス型のLMSを管理するご担当者様の中には、LMSの運用管理負担が重い、効率化したいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
定期的なシステムのバージョンアップ、セキュリティ対策、いつ発生するかわからない障害や問い合わせへの対応、古くなったサーバーや周辺機器の買い替え…
教員と兼務なさっているご担当者様の場合、さらに負担は重くなるでしょう。
そんなとき、ぜひご検討いただきたいのが、クラウド型LMSの導入です。
メリットは何となく知っているけれど、大学の大切なシステムやデータを外部に預けることに、躊躇している方もいらっしゃるかもしれませんね。
本記事では、このような大学教職員の方に、クラウド型LMSの利用イメージやメリットをご紹介します。具体的な大学の事例もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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クラウド型LMSとは?オンプレミス型との違いと利用イメージ
クラウド型LMSのメリットを具体的に説明する前に、念のためクラウド型LMSとは何か、オンプレミス型と比べながらおさらいしましょう。
オンプレミス型LMSは、大学内にサーバーなど必要機器を設置し使うLMSです。
使い始めるには、機器の設置場所確保、サーバー調達と設置、LMSのインストール、設定など、多くの準備が必要です。さらに利用開始後も、システムのバージョンアップ、セキュリティ対策、機器のメンテナンスなどの管理・運用を大学内で行う必要があります。ある程度知識のある人の配置を要し、時間、労力をかけ続けなければなりません。
しかし、それらの作業を自分たちに合ったタイミングや作業内容で実施でき、さらに独自機能を追加するなど、柔軟にカスタマイズできるLMSもあります。
オンプレミス型は手間がかかる反面、自分たちの都合に合わせ柔軟に運用・管理できる形態です。
一方クラウド型LMSは、ベンダーがあらかじめ構築、管理している大学外のサーバーとLMSに、インターネット回線でアクセスして使うLMSです。
機器類の調達、インストールや設定作業は省略でき、導入後短期間で利用開始可能で、利用開始後のサーバー管理も、ベンダーが行ってくれます。(大学でクラウド環境を契約し、そこにLMSをインストールすることでもクラウド型LMSを構築できますが、本記事では、ベンダーがクラウド環境からLMS、運用サポートまで提供する形態を「クラウド型LMS」としてご説明します)
これまで大学担当者がサーバー管理に費やしていたリソースを、LMSを活用したより教育効果の高い授業の開発など、本来の教育活動に集中させやすくなります。
クラウド型LMSをおすすめする理由5つ
次に、クラウド型LMSをおすすめする理由とメリットを、実際にクラウド型LMSを利用している大学の声をまじえ、ご紹介します。
導入がスムーズ
先に述べた通り、サーバー調達もインストール作業も必要ないため、オンプレミス型より短期間で利用開始できます。すぐに利用を開始したい、導入作業の負担を軽くしたい、といった場合は、クラウド型LMSを検討してみてください。
実際に、コロナ禍でLMSへのアクセスが急増し、早急な対処が求められる中、すばやく導入できるクラウド型LMSを検討した大学の声をご紹介します。
秋学期の授業も遠隔授業と対面授業の併用を考えていたので、全学で利用できる LMSでの導入の検討を進めました。LMSを選定するにあたり、(中略)短期間での導入が可能・トラブルに対応しやすいという事で、クラウド型のシステムを検討することになりました。
常に最新バージョンのシステムを使えて、最新技術に対応しやすくなる
ICT技術が急速に発達し続けている今、LMSも常にバージョンアップし、最新技術に対応し続けなければ、学生や教職員のニーズに応えられません。クラウド型を検討した背景の一つに、最新技術に対応し続けることの難しさを挙げる大学もあります。
(旧LMSは)導入以来、改良を重ねながら教員が必要とする機能をほぼ全てそろえてきました。しかし昨今、インターネットの進化とともに、ブラウザのバージョンアップをはじめ外的な変化が激しくなってきました。旧LMSは独自開発のLMSのため、メンテナンスにかかるコスト面の負担が大きくなってきました。
クラウド型LMSは、ベンダーが一括でシステムのアップデートを行うので、大学側がバージョンアップ作業をせずとも、常に最新バージョンを使い続けられます。
最小限の負担で最新技術に対応し続けられ、学生や教職員のニーズにすばやく応えやすくなります。
サーバーのセキュリティ維持向上をプロに任せられる
システムのバージョンアップと同様、サーバーの監視やセキュリティパッチの適用などはもちろん、堅牢な設備の整備、高い専門性を持つスタッフの配置など、セキュリティ対策はすべてベンダーが手掛けます。サーバーのセキュリティ対策にかかる大学の負担を抑えることができます。
ただし、どんなに専門家がサーバー側のセキュリティ対策をしていても、ユーザー側でアクセス権設定ミスや、パスワード漏洩などが発生すれば、当然システムや情報が脅威に晒されます。オンプレミス型・クラウド型に関わらず、基本的なセキュリティ対策は引き続き必要です。
利用環境改善を期待でき、万が一のトラブルに対処しやすい
オンプレミス型からクラウド型に移行した背景に、アクセス急増による障害など急なトラブルへの対処の困難さや、学生と教職員の快適な利用環境の維持向上を挙げる大学もあります。
旧LMSはオンプレミスで運用してきましたので、サーバーのメンテナンスも自分たちで行わなければなりませんし、負荷が急激に増えると耐えられません。本学では、学内のさまざまなシステムをクラウド化する方針で進めていますが、その一環として、 LMSもクラウド化の方向で検討しました。
コロナ禍により全学で旧LMSを利用し始めた為、すぐにサーバーの稼働率は限界を超え、これに対応するために旧LMSを学部ごとに利用時間制限を割り当てされましたが、十分な利用ができませんでした。
オンプレミス型の場合、自分たちで用意できるストレージ容量や回線速度には限界があるでしょう。クラウド型なら、ベンダーが用意している大規模で安定したシステムを使えるため、全学規模のアクセスが発生しても快適な利用環境を維持しやすく、万が一障害が発生しても、対処はベンダー側が行うので、大学側の負担を最小化できます。
さらに、もしストレージの追加が必要となった場合も、クラウド型なら新たに物理的にストレージを調達・設置する必要はなく、手続きだけですばやく対応できます。機器の老朽化や故障を気にする必要もありません。
クラウド型LMSに移行後、システムが以前より安定し学生と教職員に快適な環境を提供できている、と話す大学の声もご紹介します。
何よりもアクセシビリティの向上により、使いたい時に使えるようになったことが一番です。クラウドによる安定性、十分な容量などが寄与していると考えられますが、これまでに大きなトラブルもなく、秋学期の遠隔授業を充実したものとして乗り越えることができたことは、このシステムの安定性によるところが大きいと思います。
利用者側にとっては、メンテナンスや故障等でサーバーが止まることがなくなったため、「利用したい時に使えない」という不便さが解消されました。また、以前はサーバーのある宇都宮キャンパスの外部からアクセスすると処理速度が遅くなるという問題がありましたが、クラウドサービスに移行してからは、どこからアクセスしても速度が速くなり、利用環境は大幅に改善されました。
災害やパンデミックなど緊急事態でも学びの提供を継続できる
クラウド型LMSのサーバーは一般的に、自然災害に強い立地に、堅牢な構造で建てられたデータセンターに設置されています。さらに、適切なバックアップ設定やデータの分散管理など、大学だけでは手が回りにくい強固なリスク対策が行われています。
そのため、万が一大学が災害などの被害に遭い非常事態になっても、LMSは稼働し、学生の学びの機会を維持できます。
2011年の東日本大震災をきっかけに、クラウドの方が安全、と考えた大学の声をご紹介します。
大切なデータを学外に預けることへの不安を耳にすることもありますが、自分たちでサーバーを管理することの方がリスクが高いと思います(中略)(震災の)強い揺れでサーバーは停止、サーバールーム内はめちゃくちゃな状態でした。幸い、サーバーが故障していなかったので、最悪の事態は避けられましたが。
クラウド型LMSの注意点
クラウド型LMSのメリットは、裏を返せば注意点にもなります。導入を検討する際は、以下の注意点もご留意ください。
カスタマイズの可否、どこまでできるかは要チェック
ベンダーが用意した環境にアクセスし利用する形なので、オンプレミス型ほど柔軟にカスタマイズできない場合があります。独自機能が欲しい、学内他システムと連携したい、などといった場合は、検討するクラウド型LMSのカスタマイズ可否、どこまでカスタマイズ可能かを、チェックしましょう。
たとえば、教育ICTツールの技術標準LTI規格に対応している場合や、主要なICTツールとの連携プラグインを提供している場合などは、独自の開発に制限があっても必要な機能拡張を行える可能性があります。
自分たちに必要な機能、やりたい事をLMSベンダーに直接伝え、直接提案を受けた上で、現在使用している機能をカバーできるのか、どんな方法でカバーできるのか、という観点からも、クラウド型LMSを比較してみてください。
メンテナンスや障害対応のスケジュール、作業内容は、ベンダーとよく共有する
オンプレミス型LMSは、LMSやサーバーのアップデート、メンテナンス、セキュリティ強化などの運用に手間がかかるものの、自分たちでスケジュールや作業内容をコントロールできます。
一方クラウド型LMSは、サーバー管理・運用をベンダーに委託することで運用を効率化できるものの、そのスケジュールや作業内容はベンダー主導となり、自分たちでコントロールできる範囲は狭くなります。
もちろん、ユーザーに大きな影響が出る作業を行う際は、ベンダー側からスケジュールや作業内容について事前に連絡が届きます。ベンダーと充分に情報共有し、必要に応じて大学の教職員、学生へ周知しましょう。
クラウド型LMSを選ぶ際は、ベンダーの運用サポートサービスの内容や体制も確認し、安心して任せられるかを判断してみてください。
クラウドに移行した大学の「生の声」ご紹介
ここまででいくつかご紹介した、クラウド型LMSに移行した大学の事例は、以下の事例ページやPDFで全文を詳しくお読みいただけます。移行に至った背景から移行後の効果、移行にあたって注意したこと、工夫したことまでご紹介しておりますので、ぜひお役立てください。
学校法人東海大学様
コロナ禍の影響による遠隔教育でLMSへのアクセスが増加し、対処を急いでいた東海大学様は、すばやく導入できトラブルへの対処もしやすいクラウド型LMS導入を検討します。中でも、操作画面がわかりやすく教員の多様な講義手法を実現できる機能を備え、実績が豊富な「Open LMS(オープンエルエムエス)」を採用しました。
移行後はシステムへのアクセスが安定、学生と教職員が安心してLMSを使えるようになり、学生への一斉連絡と個別連絡がやりやすくなった結果、よりきめ細かい教育が可能になりました。
学校法人早稲田大学様
独自開発したLMSを利用していた早稲田大学様は、昨今のインターネット技術の進歩により、LMSのメンテナンスコストが増大したことから、商用クラウド型LMSへの移行を検討しました。中でも6万人規模での利用実績があること、コスト面、機能面から、「Open LMS」を採用しました。
小テストの採点やフィードバックが円滑化し学生とのコミュニケーションが活発化、Open LMSを「世界的なユーザーグループがあり、そこで出された意見が反映されて常に改善される。Web環境の変化に対応するだけでなく、新しい機能が追加されていくところが素晴らしい」と評価します。
帝京大学様
次世代学習管理システム「Blackboard Learn(ブラックボードラーン)」をオンプレミス型で長年利用してきた帝京大学様は、東日本大震災の経験を踏まえ、同LMSのクラウド版へ移行しました。
緊急事態時のリスクをケアできたのはもちろん、サーバーのメンテナンスが不要になったことにより、管理担当者の業務負荷を軽減でき、アクセス速度が上昇したことで学生や教員の利用環境も改善したといいます。
最後に
本記事では、クラウド型LMSの概要から、メリット、注意点、事例までをご紹介しました。クラウド型は、時間、労力、人員を抑え、効率的に導入、運用が可能な形態です。
もし、オンプレミス型LMSの運用負荷の大きさが課題となっているなら、クラウド型LMSの採用を視野に入れていただければ幸いです。
コレオス株式会社では、クラウド型のLMS「Open LMS」、「Blackboard Learn」を教育機関様に提供し、導入、運用のサポートまで行っています。上記でご紹介した事例資料はもちろん、各製品資料のご請求、ご相談も、ぜひお気軽にお寄せください。
それでは。