Open LMSオンラインカンファレンス2021開催レポート
皆様こんにちは。
アシストマイクロ(現コレオス、以下同)は、去る8月27日に「Open LMSオンラインカンファレンス2021」を開催いたしました。今回は、その開催レポートをお届けします。
いまだ収束の見通しが立たない新型コロナウイルス感染拡大。教育機関では授業や学内サービスのオンライン化が進みましたが、教職員の皆様におかれましては、引き続き授業手法や様々な不安・課題を抱える学生へのケアの最善策を模索し続けていることと存じます。
本カンファレンスでは、弊社が日本総販売代理店として取り扱う、Moodleベースのクラウド型LMS「Open LMS(オープンエルエムエス)」をご利用中の早稲田大学様のご講演をはじめ、Open LMSを開発する英国LTG社による、ラーニングエンゲージメント向上のポイント解説、海外大学事例の紹介など、コロナ禍における日本と海外の教育機関様のお取り組みと今後の展望を、ご参加の皆様に共有いたしました。
ぜひご覧ください。
目次[非表示]
プログラムと登壇者のご紹介
当日は、以下3つの講演が行われました。
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「全学授業のオンライン化とコロナ後を見据えて」
早稲田大学 CIO、基幹理工学部 教授 山名 早人 様 -
THE SECRETE TO LEARNER ENGAGEMENT IN ELEARNING IS RELEAVED
(eラーニングにおける学生エンゲージメントの秘訣)
Learning Technologies Group カスタマーサクセス担当 Mark Bailye -
Case Study(海外大学様事例紹介)
アシストマイクロ株式会社 Open LMS担当
それぞれの内容をご紹介します。
各講演の内容
学部・大学院の約26,000科目をオンライン化!
早稲田大学様事例ご発表「全学授業のオンライン化とコロナ後を見据えて」
大学紹介・コロナ対応
早稲田大学様は、2020年2月頃から中国での感染拡大を受け、約8,000名の留学生が日本に入国できなくなる事態を想定し、早々に授業のオンライン化を検討、3月には春学期開始の延期と全授業のオンライン化を決定します。
春学期開始までに、オンライン授業の準備に必要な情報を集約した情報ポータルサイト、相談や問い合わせの受付・対応を行うCTLT(Center for Teaching, Learning and Technology)を軸に、教員と学生へ様々な支援を行いました。
5月11日からの春学期には、オンデマンド配信型、リアルタイム配信型、ハイブリッド型の3パターンの授業が開始されます。
早稲田大学様のオンライン授業を支えているのが、Open LMSで構築されたLMS「Waseda Moodle」です。2017年頃から導入準備が進められ、今回のオンライン化でほぼ全ての授業で利用されています。春学期開始当日には約45,000ユーザーがのべ約25万回のログインを行いましたが、これまでの準備が功を奏し、大きなトラブルはありませんでした。
新しい講義形態へ
オンライン授業が始まると、教員同士で多くの情報が共有されました。最適な板書のサイズや身近な機材だけでわかりやすく収録・配信する方法などが、Waseda Moodleのフォーラムなどのコミュニケーション機能を使い、活発にやり取りされています。
授業を遠隔受講する学生からは、「席の位置に関係なく、先生の声が聞き取りやすい」「録画されていると、後からでも見られて便利」などの好評を得られました。
2020年秋には、新たにハイフレックス型の授業にも対応すべく、必要な設備の準備が進んでいます。
コロナ後を見据えて
早稲田大学様では、3年ごとに「情報化重点施策」を策定し、ICT環境整備を進めてきました。最新版の2021〜2023年版も作成されており、近日Web公開されます。コロナ後も引き続き、柔軟かつ安全な学びと研究の場を提供し、学生と教職員の更なる満足度向上を図る予定です。
ご講演内容のご紹介は以上です。
大学全体の動きはもちろん、登壇者様が実際に行っているアクティブラーニングのコースコンテンツをお見せいただきながら、具体的な活用例を紹介してくださり、参加者様のご参考になったことと存じます。
早稲田大学様のOpen LMS導入事例は、アシストマイクロのWebサイトにて、公開しております。Open LMSご導入までの経緯や、活用方法を詳しくご覧いただけます。PDFもダウンロードいただけますので、ぜひ一度チェックしてみてください。
早稲田大学様、ご登壇いただきありがとうございました!
今だからこそ、再考を!ラーニングエンゲージメントを高める秘訣「THE SECRETE TO LEARNER ENGAGEMENT IN ELEARNING IS RELEAVED」
続いて、Open LMS開発元である英国LTG社のカスタマーサクセス担当者より、eラーニングにおける「ラーニングエンゲージメント」を高めるポイントを、最新の研究を踏まえお話ししました。
LTG社は、教育機関に早急なオンライン対応が求められている今だからこそ、ラーニングエンゲージメントを改めて意識すべきと考えます。高いラーニングエンゲージメントは、学生の満足度を向上させ、モチベーションを高め、孤独感を軽減し、高い学修成果につながるからです。
ラーニングエンゲージメントを高めるために必要な視点として、以下3つをあげます。
- 学生と教員間、学生同士、学生とコンテンツ間の相互作用(Interaction)
- 相互作用による行動面、認知面での効果(Interactivity)
- 学習者自らが発見、分析、評価できるラーニングデザイン(Learning design)
これらの視点を踏まえ、LMSなどの分析ツールを用い、エンゲージメントを常にモニタリングすることも必要と強調します。どの活動が学生の興味を引いたか、退屈している学生がいないかを把握することで、必要なフォローが行え、学生が主体的に動き能動性を発揮できる、すなわちエンゲージメントを高める教育が可能になります。
LTG社による講演の内容は以上です。
学生と先生の対面の機会が減った今、学生の反応や興味関心の具合を直接確認するのが難しくなった、とお悩みの方も多いのではないでしょうか。だからこそ今、LMSなどのツールで学生の活動経過や学習成果を客観的に把握し、より能動性を引き出す工夫が求められているのかもしれません。
Case Study(海外大学様事例紹介)
最後に、弊社Open LMS担当者より、海外の高等教育機関様でのOpen LMSの最新活用事例を紹介いたしました。紹介したのは、以下の4校です。
- Mount Carmel College-Baler(フィリピン 学生数約1,140名)
- Universidad Continental(ペルー 学生数約25,000名)
- Carl Sandburg College(アメリカ 学生数約2,000名)
- IPLACEX(チリ 学生数約17,000名)
それぞれのコロナ禍対応と、今後の展望についてお話しいたしました。
各校コロナ禍前のオンライン対応の進み具合に違いがありますが、コロナ対応を機にOpen LMSを活用し、オンライン対応を大幅に進めたのは共通しています。また、Open LMSと分析ツールなどの各種教育ITツールを連携させ、教育・学習活動や大学運営に活かしているのが特徴です。
今後の見通しに不確定要素が多く、利用者のインターネット環境の格差などの課題もあるものの、コロナ禍収束後も引き続きIT活用を継続・推進していく予定です。
以上の教育機関様を含めた海外の最新事例は、LTG社が運用しているWebマガジン「E-Learn magazine」にて随時公開されています。英語のWebサイトですが、事例のほかにも最新のLMS、教育IT関連のニュース、トピックなども取り上げています。ぜひチェックしてみてください。
最後に
以上、「Open LMSオンラインカンファレンス2021」の講演内容のご紹介でした。
未曾有の事態にあっても、学びの機会と質の維持、学生への様々な支援に日々奔走する教育機関の皆様、日々手探りで工夫し学ぶ学生の皆様には、頭が下がる思いです。ご登壇いただいた皆様、そしてご参加いただきました皆様に、改めて心より御礼申し上げます。本カンファレンスが少しでもお役に立てれば幸いです。
アシストマイクロは、今後も教育IT活用の最新事例やノウハウを共有できる各種イベントを企画していく予定です。ぜひご注目ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。