SCORMとは?意味やSCORM準拠製品のメリットを解説!
皆さんこんにちは。
教育現場でのICT活用が進んでいます。コロナ禍の影響もあり、これまで以上に教育ICTツールに触れる機会が増えた、活用・運用方法を改めて考えた、という先生やシステム管理担当者の方も多いでしょう。
教育ICT活用の上でぜひ知っておきたいのが、「SCORM(スコーム)」という、国際的な技術標準規格です。特性やメリットを理解することで、現在の教育ICT環境の利活用の幅が広がり、今後eラーニング教材や学習管理システム(LMS)を選ぶ際に、よりメリットのある選択をしやすくなります。
本記事ではSCORMについて、初めて知る方、聞いたことがある程度、または調べたもののよくわからない、という教育機関関係者様向けに、基本的な意味から解説します。
目次[非表示]
SCORMとは
SCORMは、「Sharable Content Object Reference Model(シェアラブル コンテント オブジェクト リファレンス モデル)」の略で、直訳すると「共有可能なコンテンツオブジェクト参照モデル」。eラーニング教材とLMSにおける国際的な技術標準規格です。
eラーニング教材は、LMSに搭載することで学習者への配布や管理が可能になります。従来、eラーニング教材は、搭載するLMS上でのみ動作するよう開発されていましたが、SCORMに準拠したeラーニング教材とLMSは、種類やメーカーを問わず相互運用できます。
SCORMのイメージ図。たとえば、SCORM準拠しているA社製eラーニング教材は、B社製のSCORM準拠LMSでも動作します。 |
SCORMは、2000年に米国の標準化団体ADL(Advanced Distributed Learning Initiative)によって策定され、現在も改訂が続いています。日本でも、日本イーラーニングコンソシアムなどが中心となり推進しています。
では、SCORMが策定された背景を見てみましょう。
SCORM策定の背景
先に述べた通り、従来のeラーニング教材は、特定のLMSで動作するよう開発されるのが一般的でした。ほかのLMSでは動作しないため、たとえば先生や教育機関にとって、使いたいeラーニング教材があっても、現在使用しているLMSでは使えない、LMSを入れ替えたら使えなくなってしまう、買い替えや作り直しが必要になる、といった事態が起こっていました。
eラーニング教材とLMSの互換性を高め、以上のような課題をクリアするために、SCORMが策定されました。
次に、改めてSCORM準拠製品を利用するメリットを解説します。
SCORM準拠教材・LMSを利用するメリット
SCORM準拠のeラーニング教材、LMSは種類やメーカーを問わず相互運用ができると述べました。これにより、先生や教育機関にとっての教材とLMSの選択肢が、大きく広がります。
教材を選ぶ際は、利用中のLMSに制限されることなく、さまざまな種類、メーカーの教材から選べますし、逆にLMSを刷新する際も、利用中の教材との互換性を心配することなく、幅広い選択肢から最適なLMSを選べます。
教育・学習ニーズの多様化とICT技術の進歩により、必要とされる教材、LMSがこれからも変化していく可能性があります。SCORM準拠製品は、変化にすばやく対応できる教育ICT環境作りにも役に立ちます。
SCORM準拠製品選びの注意点
eラーニング教材とLMSの相互運用性を高めるSCORMですが、バージョンに注意する必要があります。先に述べたとおり、SCORMは現在も改訂が続いており、1.0や1.2など、複数のバージョンが存在します。
教材やLMSによっては、特定のバージョンのSCORMにのみ準拠しており、ほかのバージョンのSCORMには対応していない場合があります。
よってSCORM製品を選ぶ際は、その時点で最も普及している、もしくは最新のバージョンに対応しているものを選ぶことをお勧めします。2022年1月現在、最も一般的なバージョンは2004もしくは1.2です。
製品の販売・開発元の公式情報を見たり、担当者に問い合わせたりして、確認しましょう。
また、一度SCORM準拠製品を導入した後も、SCORMの改訂状況によって、使用しているシステムのバージョンアップ等が必要になる可能性があります。最新の動向に注目しておきましょう。
終わりに
eラーニング教材とLMSとの互換性を高める技術標準規格SCORMについて解説しました。
まずは、現在お使いのeラーニング教材やLMSがSCORMに準拠しているか、どのバージョンに準拠しているか、ぜひ改めて確認してみてください。そして、今後教材やLMSを選ぶ際には、SCORM準拠しているか、という点にも注目していただければと思います。
私たちコレオスは、SCORM準拠LMSを教育機関様や企業の人材育成部門の方向けにご提供しています。SCORM準拠LMSをご検討の際には、ぜひお気軽にご相談ください。
コレオスのSCORM準拠LMSを見る
対応しているSCORMのバージョンは、開発状況などにより変更されている場合があります。最新の情報は、ご必要に応じて弊社各製品担当者へご確認ください。
-
世界シェアNo.1の学習管理システム「Blackboard Learn(ブラックボードラーン)」
- 1.2、2004双方に対応しています。>参考ページ
-
Moodleベースのクラウド型学習管理システム「Open LMS(オープンエルエムエス)」
- ベースであるMoodleの対応状況に準じ、1.2に対応しています。>参考ページ(英語のみ)